今の時期、モミジなどの落葉樹の植え替え作業が盛んなので、今回は『植え替え』について書きたいと思います。
植え替えにはソフト~ハードと様々です。
“ソフト”は、根鉢を崩さず優しく植え替えを行うこと。ダメージ小。
“ハード”は、根鉢を崩したり、根を切るなど植物にダメージを与えてしまうこととしてます。ダメージ大。
現在行っているのは”ハード”に分類される作業です。
植物にダメージを与えるハードな作業でも植物の種類によっては寒い時期(休眠中)にやるべきな物がたくさんあります。
落葉樹で根詰まりなど起こしている物は今植え替えをされるのも良いかも知れません。
ただし、作業によって深刻なダメージを与えてしまう事もあります。根張りが悪く弱り気味な植物にはやらないで下さい。
下の写真は作業の様子です。
作業を行った植物は『アメリカ花の木』です。カエデ、モミジの仲間で花も見れますし、紅葉が綺麗な植物です。
地植えにすると高木になります。
成長が旺盛で根が良く回ります。1~2年に一度、30~40%程土を交換してあげてます。
2枚目の写真の様に根鉢をノコギリやハサミ、熊手などを使い、根が付いたまま削ぎ落とします。
やり過ぎは注意して下さい。
落とした土の分スペースが出来ますので新しい土を入れてあげます。
根が張るまでは風などに煽られ倒れると鉢から出てしまう事があります。鉢底の穴を利用して紐などで株を固定してあげると良いです。
新しく根が張れるスペースができた事により良い根が回り、良い葉が期待できると思います。
この作業は人で例えると”開腹手術”の様な物と考えてます。落葉期=寝ている間に手術を行うイメージです。その様に仮定すると術後管理が重要であると解って頂けると思います。水のあげ過ぎや、肥料を与えるなど、根に負担を掛ける事はしばらく避け、養生してあげて下さい。
以上、一例をご紹介しましたが、『植え替え』と言っても植物によって様々です。
根にダメージを与えない”ソフト”な植え替えは時期も植物の種類も問いませんので気楽です。
しかし”ハード”な植え替えは時期や植物の種類など条件があります。
大まかに区分してみました。
①落葉期に作業可能な物。
多くの落葉樹に言え、前述の通り休眠中に作業が行える物です。
例えば、モミジ、カエデ、バラ、アジサイ、牡丹、柿、イチジク、等々。
②落葉樹でも落葉期に作業しない方が良い物。
休眠中でもハード作業によって弊害が出る可能性のある物です。
例えば、ボケ、ウメモドキなどは根頭癌腫病に掛かり易くなるので秋に行います。
また、桜や梅などは開花に影響してしまう事もあるので、花後に作業を行います。
③春、秋に作業する物。
暑くも無く、寒くも無い心地の良い時期にやる物です。
例えば、椿、サザンカ、柑橘類、観葉植物、等々、常緑樹全般がほぼ当てはまります。
④多肉植物類。
多肉植物は原産地が北半球か南半球かなどで変わってきたりします。それによって作業のできる時期が晩春か晩秋で変わりますので判別が必要です。
以上、経験上こんな感じかと思います。
植物の種類は多いので一概に言えない物もあるかと思います。ご参考程度と考えて頂けたらと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
《追記致します》
植え替えの区分を”時期””植物の種類”から4つに分けましたが、最終的には対象植物の健康状態なども植え替え作業のするしない判断に影響してきます。不明な時はお問い合わせ下さい。
宜しくお願い致します。