今回はアジサイの切り戻し作業をご紹介したいと思います。
来年も綺麗なアジサイにするためには適時適切な作業が年間通して必要となります。(特に鉢植えの場合)
何もせず、水だけあげていても枯れることはありません。ただし、綺麗な花房を見たい位置で咲かせる為には切り戻しなどの作業は必須です。
大まかな年間作業は下記です。
- 切り戻す&植え替え(~6月中)
- 芽の選別(~7月中)
- 土を替える(落葉後~2月初旬)
- 枝や新芽の整理(2月中)
(※2と4は6/26日に追加しました。)
その他に肥料や病害虫予防駆除は定期的に行います。
では具体的に作業を紹介していきます。
①節や新芽を見ながら切り戻します。
まずこの作業の意図は、簡単に言うと樹高が高くなってしまうのを抑える為に行います。
切り戻しを行わないと、上の方の芽が伸び、樹高が年々高くなってしまいます。
写真で説明します。
赤で囲った部分は、去年の花後(今の時期)から晩秋までに伸びた茎です。
青で囲った部分は、今年春から伸び先端に花を咲かせました。
黄で囲った箇所は、去年切り戻しを行った切り口です。
花が咲くまでに赤の部分で約10cm、青の部分で約10cm、合計で約20cm伸びます。これを考慮し低い位置で切り戻すと小さく仕立てられて綺麗です。(矮化剤の使用も手段の一つですが、今回はご紹介致しません。)
しかし、ここまで低い位置での切り戻しは当店の商品としての仕立て方なので、もう少し上の芽を選んでも良いと思います。
上の写真の赤丸の芽やその更に下の芽を活かすのは当店の方法ですが、青丸や黄丸の芽を選んでも良いと思います。
赤丸よりも青丸、青丸よりも黄丸の芽の方が成熟している為、翌年の花着きの確率は高くなります。
日々の育て方次第で未熟な芽でも花芽が望める様にできますが、不安な場合は少し上の芽を活かすのも手だと思います。
②植え替えをしてあげます。(場合により)
切り戻し後、新しい芽が伸びて行くのですが、根詰まりしていると元気に育ちません。一回り大きい鉢に植え替えてあげると良いと思います。
『鉢が大きくなるのは避けたい!』と思われる方は植え替えをしないか、少量の土の入れ替えをされると良いと思います。根を傷付ける度合いによりますが、作業後約1ヶ月は日に直接当たらない涼しい所で管理してあげて下さい。新葉がいくつか展開したら安心です。
なお使用する土は、
青系発色させる場合、鹿沼土やピートモスなど酸性質土を主体に使います。
具体的に、腐葉土2、クンタン0.5、赤玉(小)2、ピートモス1、鹿沼土3、バーミキュライト1、牛ふん0.5の配合土を使ってます。
赤系発色させる場合、黒土や腐葉土を主体に配合し、鉄やアルミニウムを含む材料を控え目にします。
具体的に、腐葉土2.5、黒土2.5、赤玉(小)1、軽石(小)2、牛ふん2の配合土を使ってます。
発色の為に極端な土質にすると生長不良に繋がります。ある程度バランスは必要と考えます。
以上、完了です。
皆様の参考になれたら幸いです。
宜しくお願い致します。